CONTENTS

第1回 音楽を“広げる”仕事。いろんな世界を吸収できます。
2011.10.01

渋谷晴香

株式会社イータレントバンク

業務企画室担当 渋谷晴香さん

デジタル音楽事業を中心に、各種プロモーション・コンテンツ制作・メディア運営などを行う業界でも大注目の企業、イータレントバンク。

そこで主に企画担当として業務を行っているのが渋谷さんです。仕事に対しては常に真剣な表情を見せる彼女ですが、見た目通り(??)会社全体にエネルギーをまき散らす元気っ子でもありました。

そんな渋谷さんに、現在のお仕事に就くまでの経緯から実際の業務内容、そして今後の目標までを聞いてきました。

音楽を“広げる”仕事。いろんな世界を吸収できます。~この仕事を目指すきっかけ~

――やっぱり昔から音楽は好きでしたか?

そうですね。小さい頃からピアノをやっていました。小学校・中学校は吹奏楽部で、意外にも部長とかもやってて。そのまま高校でも吹奏楽をやってたんですけど、まあカタいので(笑)。それからバンドを始めました。

――バンドはプロ指向で?

はい。オリジナルの曲とかもやったり。その時はバンドでやっていきたかったですね。でもいわゆる音楽性の違いみたいなことでバンドは解散してしまいました。

――その後、音楽関係の仕事をしたいな、と。

仕事にできたらいいなっていうのはあったんですけど、私が通っていた学校がインテリア関係だったんで、どうしたら音楽関係に進めるか分からなかったんです。就職口もなかなか見つからなくて。その時は音楽の仕事って「歌う人」「作る人」「売る人」くらいしか思いついてなかったんです。なので卒業後は美容部員として勤めていました。

――アーティストさんのメイクを?

いえ、全然そうではなくて、いわゆる販売でした。その後に転職サイトを見ていて、さっきの「歌う人」とかの他に「広げる人」がいるのを知ったんです。「歌う」「作る」となると、場合によってはその会社のことしか見えなくなることもあると思うんです。でも「広げる」側に行けば、いろんな世界のことを吸収できるんじゃないかと思って、そこに惹かれましたね。音楽以外でも興味のあることはたくさんあるし、それらを活かせるんじゃないかと思って。それでこの会社に来ました。

――つまりまったく違う業種への転職ですよね?

そうですね。当時はウェブでできることも、ウェブに関する知識もほとんどありませんでした。

――では「ウェブの仕事を」というよりは「音楽関係の仕事を」というところから今に至っているんですね。

そうです。音楽と別の何かが組み合わさっておもしろいことができればいいなって思います。

ターゲットリサーチは、実際に遊ぶこと~現在の仕事内容~

――実際に働きはじめてどうですか? 今はどんなお仕事を?

企画書を作ることが多いですね。今までこの会社で作っていた企画書はイメージ的にカタい感じだったんですけど、私が作るのはちょっとふざけていて(笑)。カラフルで、キャラクターとかも出たり。それが良いと言ってくださる時もあります。もちろんそれぞれのクライアントにあったものを作るようにはしていますけど。

――「プロモーション」、「プランニング」と呼ばれるような部分ですね。

はい。あとはマーケティングも担当しています。私がやっているのは市場調査というか、若い子たちに関する情報をできるだけ収集しにいって、それを会社の中で発信しています。

――具体的にはどんな方法で?

若い子が読む雑誌を読んだり、実際に若い子たちと遊んだり(笑)。年下の子と遊ぶとすごい発見がありますね。やっぱりそういう子たちが着うたとかを買っている世代なので、彼らに突き刺さるプロモーションのためにはどうすればいいのかを、遊んだり雑誌を読んだりしながら勉強しています。

勉強しながらお給料がもらえるしあわせ~仕事のやりがい・大変なこと~

――やりがいを感じる部分は?

私は勤めて2年になるんですけど、すべて初めてのことでしたし、そもそも言葉を覚えるところから始まりました。今でも毎日が新しいことばかりなので、すごく新鮮ですね。そういった新しいことを知れること自体がやりがいですし、すべて勉強になります。勉強しながらお給料をもらえるのは素晴らしいですよね。

――ちなみに、初めて知った言葉を一つ……

えっと、たとえば「A&R(※1)」とか。「何のAと何のR?」って(笑)。 ※1→Artist and Repertoireの略。レコード会社の職務の一つ。新人アーティスト・作曲家の発掘、契約、育成、制作などを担当する。

――エンドユーザーからの手応えみたいなものを感じることは? 「対クライアント」の仕事が多いと思いますが。

それが確かに見えにくくて、できれば欲しい部分ですよね。でも仕事の関係でギャルの女の子に会う機会があって、その子たちがうちの会社でやったものをダウンロードしてたりしたんです。そういうのは「あ、ちゃんと広がってるのかな」と思ってちょっとテンションが上がります。

――逆に大変なことは?

帰りが遅い日はブルーになります(笑)。でも……業務内容に関してはあまりないかな。やることは新しいことばかりで、それを吸収するのはすごく楽しいので。今のところそんなにイヤなことはないですね。自分の力量不足で上手くさばけなかった時とかは凹みますけど。

“出オチ”キャラ? 自分の役割を明確に!~仕事で心がけていること~

――仕事をする上での心がけやモットーは?

仕事の優先順位を考えることですね。いろんな仕事があって、もちろん企画書を作ったりするのもそうですし、いきなり「キャラクター書いて!」ってムチャ振りされることもありますし(笑)。そういうので手がいっぱいになるんで、仕事を振られた時に「これはいつまでに必要ですか?」って聞くのは当然のことながら、自分の中でも見極めるようにしていますね。

――確かに大事なことですね。

はい。あとは、自分の年齢でしかできないところに目を配れるように。年下だからこそ言えることもありますし、その辺は気をつけています。私、こういう身なりなんで、まあ……出オチですよね(笑)。ネタになるんで、そういうのも大事な役割かな。会社でも「こんなのいますよ」って紹介されたり(笑)。

――それも会社の一つのカラーですもんね。

そうなんです。若いスタッフがいるから、若いターゲットに響くプロモーションができますよ、みたいな。そういう自分の役割を明確にして。“キャラ付け”というか。

公私混同。それが仕事のヒントです!~仕事での必需品~

――常に持ち歩いているものってありますか?

ん?、必需品って案外ないんですよね。カバンの中を見ても、メイク道具とかヘアアイロンとかが出てきて(笑)。携帯くらいしかないかな。あとパソコンも持ち歩いていますね。そのくらいです。いつでもニュースは見るようにしてて、でもそれは「政治」「経済」とかじゃなくて、「ギャル」ってニュース検索するんです。そうすると「あ、ギャルが募金してるんだ……」とか分かりますよ。普通はあまりそういう検索ってしないでしょ? 「ギャル ニュース」って検索すると、ギャルに関するニュースがたくさん出ますよ(笑)。

――今度やってみます(笑)。

あとは新しいスマートフォンが出たとか、そういう情報は常に知っておきたくて、ITメディアとかはいつも見ていますね。

――興味自体が仕事と直結している感じですね。

そうなんですよね。だからぜんぜん苦にならないし、公私混同で仕事のヒントを得ています。わざわざ「仕事のリソースを探そう!」なんて意識もないですよ。

10代の脳みそでいきましょう!~今後の目標~

――何か仕事での目標はありますか?

大きいところで言うと、今は市場を調査する側なんで、それに一生懸命ノッかって、ガンバって若づくりしているんですけど(笑)、できれば私たちが発信したものが流行ることで市場を作れるような動きがしたいです。もっと現実的なところでは、社風とか社員の脳みそを私の情報で若返らせたいです(笑)。今でも柔軟な先輩方ばかりなんですけど、もっと、ですネ。

――社員の方みんなの脳内が22歳に!

はい。何だったら10代に(笑)。そのために毎月、若い子が読む雑誌を買ってきて、全体会議の時にチェックすべき項目を発表して共有してるんです。前は同世代の子を会社に呼んでお菓子とか食べながら座談会みたいな感じでプロモーションの企画を一緒に考えたり、自社で運営している媒体の感想を聞いたりしてました。「レイアウトがイヤだ!」みたいなことをザックバランに話し合って。そんなことも何回かしましたね。ほんとにやりたいことをやらせてもらってます。

視野を広げて、自分に合った仕事を。~メッセージ~

やっぱりレコード会社で働きたい人って多いと思うんですね。ココにもレコード会社希望だったけど、入り口が狭かったり他の理由だったりであきらめた人もいるみたいです。でも今から音楽関係の仕事に就きたいと思っている人がいるなら、もっと視野を広げてみるのも良いと思います。音楽に携わる仕事ってメーカーだけじゃないってことをもっと知ってほしいですね。制作もそうだし、プロモーションもそうだし、様々な方法があります。いろんな立場から音楽に関わって仕事している人がたくさんいるんで、視野を広げて、自分に合った仕事を選ぶと楽しいですよ。

GALLERY
クリックすると拡大します

PAGE TOP