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HOP!STEP!BANGING! ライブレポート

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1日限りのライブハウスからの衝動

都心を大きく離れた東北の地、宮城県気仙沼市で3/8にライブ、DJイベント「HOP!STEP!BANGING!」が開催された。東日本大震災以降、気仙沼市に音楽の遊び場を作ることをテーマに活動している団体『レコハコ』が企画をし、地元の高校生を中心にライブパフォーマンスを披露する。街には津波が押し寄せる前からライブハウスはおろかスタジオも非常に少なく、音楽活動をしたい若者たちは思うような活動ができずにいるのが現状だ。そんななか、1日限りのライブハウスとして会場を提供してくれた『co-ba KESENNUMA』。普段は市内でシェアオフィスとして運営している建物である。

OPENの時刻を回ると、学生DJが不慣れながらもおのおのの好きな曲、想いを重ねた曲をプレイし、会場が一体となって盛り上がる姿を何度も見ることができた。 この日、トップバッターとしてライブを披露したのは気仙沼向洋高校の現役生徒のバンド「向洋マフィア」。ELLEGARDENやONE OK ROCKのコピー曲でオーディエンスを大いに湧かせた。普段はなかなか演奏を披露する機会がないだけに気合十分のパフォーマンスであることが伝わってくる。

そして、高校生DJのプレイと同時進行でこの日最後のバンド「the Nice Frankfurt」がセッティングを始めだした。彼らは昨年度までここ気仙沼市の高校に通い、この1年間は東京でバンド活動に燃え、久しぶりの地元でのライブに心を躍らせている様子。40分というロングセットの中で、地元のみんなの前でライブをすることができて嬉しいというMCを挟みつつ、新たな境遇で過ごしたこの1年間で作りあげたものの中でもベストと言うべき全8曲を出し惜しむことなく会場に向かってぶつけていく。

街にライブハウスが無くても、音楽を愛する人間はたくさんいる。ライブハウスが無いからこそ見ることができる景色もある。そんなことを思う1日となり、気仙沼という街が音楽で賑わう可能性を感じた。

(ライティング:熊谷 コーディング:熊谷)

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